「水俣は、被害の記憶を人・場所・風景にためこんでいる」ことを念頭に置き、公害都市において、どのように深く負った傷や分断から地域再生と修復が可能なのか。土地、場所、遺構をヒントに考える。
7月号特集「地域研究「水俣」」より
「水俣メモリアル」と「水俣病慰霊の碑」 二つの慰霊の場から考える |小田原のどか 4
「水俣病歴史考証館」と「水俣市立水俣病資料館」 二つの資料館から考える |林美帆 7
つなぎ美術館がめざすもの |楠本智郎 10
旧チッソ工場建物保存の意義と喪失―なぜ保存できなかったのか|中地重晴 12
「水俣病関連遺跡群」における百間排水口|丹波博紀 14
都市計画・建築計画と「もやい直し」|石原明子 17
地域の力を侮るなかれ 農業に終わりはやってくるのか|吉井和久 20
希望学から考える「水俣」|玄田有史 22
〈傷ついた場所〉の風景 水俣病の記憶を継承するために|小松原織香 24
支援者の継承|永野三智 27
コラム 移住者の視点と立場 水俣で暮らすことの葛藤と救い 衣食住を通して内と外をつなげる|吉村 純 30
水俣の山と海|豊田有希・森田具海 31
水俣病と事件史の捉え直しをめぐる今日的課題|原田利恵 33