いつもいつも思ってた。建築も都市も災害も、それを享受したり、被害を受けたりするのはほぼ男女同数なのに、そのあり方や方針を決めたり、指示を出す組織は圧倒的に男性で構成されているのはなぜなんだろう。一人の天才建築家が少数のパトロンのために名建築をつくるという構図があまり現実的でなくなった現代において、まだここにないもっといいもの、新しい世界を考えるための「ジェンダーと建築」特集その1「問題提起編」。その2は、2025年に続く。
2月号特集「ジェンダーギャップと建築 1」より
巻頭
グラフで見る建築業界のジェンダーギャップ
ジェンダーについて語りはじめるための基礎調査|井本佐保里 4
座談会
ジェンダーと建築|饗庭 伸+五十嵐太郎+根来美和+福屋粧子 8
それぞれの視点から
マインド ザ ギャップ インタビューから考えるジェンダーギャップ|福屋粧子 14
過去と現在が邂逅する ハイブリッドなアーカイブとしての建築|根来美和 17
建築業界におけるジェンダーギャップの課題|定行まり子 20
行政組織におけるジェンダーギャップ ある区の事例から|浜森香織 23
フェミニズムから「まちづくり」を考える|窪田亜矢 26
ジェンダー視点の導入が意味するもの 美術界の「ジェンダー論争」をふまえて|小田原のどか 28
建築が重ねるインターセクショナリティー|庄ゆた夏 30
シングルマザーと性的少数者の住まいから考える|葛西リサ 33
都市は誰を排他してきたのか|内山媛理 36
トラブル・マターズ ジェンダーとフェミニズムの現在形|成定由香沙 38