東日本大震災から12年。今回は津波被災地に焦点を当て、まちや集落のその後の姿を検証する。甚大な被害を受けたまちや集落をよみがえらせ、再建しようと、多くの都市や地域を専門とする人たちがかかわってきたが、成果を得た部分もあるし、課題も見えてきた。住民や専門家、行政も最大限の努力はしたが、制度上の不十分さが壁となって立ちはだかったこともある。そういった課題を検証することは、これからやってくる甚大な災害時にも、わがまちの地域計画にも役立つはずだ。さまざまな例を挙げて検証しつつ、復興という概念自体を問い直したい。
9月号特集「津波被災地12年後の検証」より
座談会
津波被災地12年後の検証│杉本洋文+作山 康+金子哲也+土井一成 4
座談会で話題になった参考になる事例8選/課題の残る事例5選 14
事例報告
岩手県大船渡市泊地区 事後アンケート調査から見えてきたこと│作山 康 17
釜石市唐丹町における震災復興の歩み│神田 順 22
岩手県大槌町赤浜
「海が見えるまち」に込められた思いを探る│黒瀬武史 26
非常時のプランニングスタイルからの学び 海を望む漁村集落の復興│上條慎司 32
「復興」から見えてきたさまざまな課題
復興事業でつくられた空間を、愛し、使いこなし、震災の記憶をつなぐ│田中暁子 37