素敵な家に出会った。設計者は誰だろう。詩人・茨木のり子の家は1958年に竣工した。設計は従姉妹の女性建築家だった。谷川俊太郎の現在の住まいは戦後、浜口ミホが設計した。日本では女性に建築を学ぶ機会すらまだ十分に与えられていなかった時代、最初期の女性建築家たちは、なぜ、どのようにして建築家となったのか。何を考え、どんな建築をつくってきたのか。そして、日本の生活環境や建築界に、いかなる影響を与えたのか。草創期の女性建築家たちの物語を読み解く。
2月号特集「女性建築家の歴史」より
巻頭文
「女性建築家」の登場とその背景|松川淳子 4
『日本住宅の封建性』を読む 浜口ミホと戦後住宅|竹内孝治 7
女性建築家の肖像
土浦信子 建築の「しかく」をめぐって|岸 佑 10
吉田文子 吉田文子と「早稲田建築」|黒岩千尋 12
浜口ミホ 人間のための建築、その哲学を貫いて|上田佳奈 14
小川信子 生活拠点としての空間|種田元晴 16
奥村まこと 「町医者のような」建築家として|村上 藍 18
建築を見る
≪川井邸≫初心を継ぐ/接ぐ住まい|種田元晴 20
≪津田山の家(G邸)1≫家に住まう、家と住まう|内山媛理 24
≪津田山の家(G邸)2≫「G邸」から「津田山の家」へ|平尾しえな 26
インタビュー
近藤洋子 PODOKOの設立 日本初の女性建築家の集い|岸本 章+岸本裕子 29
台所が変わると、暮らしが変わる|正宗量子 34