日本での最初で最後の新都市建設。都市計画都市「つくば」。それにかかわった土肥博至さん(筑波大学名誉教授)の貴重な証言がある。今だから語る国家プロジェクトの背景、何をめざし、何ができなかったか。磯崎新抜擢の裏話など、50年余り前の都市計画技術者の熱い思いと矜持が伝わってくる。今、理想を求めた住宅群も徐々に民間売却され、無人の公務員宿舎もある。交通が便利になったため、民間の高層マンション化が進み、ベッドタウン化している。その中で新しい動きの萌芽もある。1963年9月に「筑波に新都市建設」が閣議了解されて60年を前に、都市計画が描いた夢のゆくえと、その成熟について。
「実験都市「つくば」」より
「つくば」を知るⅠ
「筑波研究学園都市」の概要と計画略史|河中 俊 2
証言
「筑波研究学園都市」の計画に携わって|土肥博至 8
「つくば」を知るⅡ
1980年以降、40年の「つくば」の変化と現状|藤井さやか 15
「つくば」を見る
建築・都市デザインガイド 30選|永井正毅+坊垣和明 19
「つくば」のこれから
実験都市「つくば」の未来と可能性|藤井さやか 27
コラム
私が電柱・電線をなくそうとしたわけ|小林遼平 29
私が出会った集落と実験都市つくば|齊木崇人 30
実験都市つくばにおけるハウジング研究会の試み|花里俊廣 32
つくばセンタービルをリノベーションした「co-en」|小林遼平 33