「福島では事故後もいろんな場面で大きなお金が動いている。最後までお金にからめとられているような気がする」郡山市のある建築設計者の言葉である。福島の原発事故では誰一人死んでいないという人さえいて、被害の実態は、明らかにされず、避難者がいったい何人いるかも掌握されていない。制度的には加害者の方に手厚く、賠償や廃炉費用は国民負担や電気料金でまかなわれるという構図だ。さらに除染は良いビジネスとなり、帰還者のための新しい公共建築や伝承館が建つ。お金という側面から事故後11年の福島を見る。
「お金と福島」より
写真構成
原発事故20km被害区域内をゆく|飛田晋秀 4
被害の実態
避難者はいったい何人いるのか|青木美希 14
電気事業会計の謎
なぜ東電はつぶれず、赤字にもならないのか|金森絵里 18
原発事故処理費用の奇々怪々
原発のコストをだれが払うのか|大島堅一 23
除染マネーと除染バブル
除染の虚々実々|加藤裕則 26
3.11後に生まれた建物たち
福島復興建築紹介 31