コロナ後の世界はいったいどうなっていくのだろう。ますます合理性と衛生、効率が求められるようになるのだろうか。そうなっては、生きづらくてたまらない。そこで、「路地」である。ジェイン・ジェイコブズも言っている。生きられる都市の四条件、それは、「1.みちは狭く曲がっていて、街区は小さい 2.古い建物と新しい建物が混在する 3.密度が高い 4.建物に二つ以上の用途がある…」 そっくり路地のまちにあてはまるではないか。路地は道路ではない。生活空間だ。ディスタンスばかりの昨今を生き延びるための、都市のヒューマンスケールに注目したい。
「路地のヒューマンスケール」より
序論
ジェイコブズの「都市の4条件」と日本の「路地のまち」|青木 仁 2
路地の記憶
路地は家族と家族を結ぶために|松山 巖 6
路地のフィールドワーク
路地を生かしたまちづくり
神戸市駒ヶ林地区の事例から|松原永季 8
加賀鳶の伝統を継承する
金沢の歴史的町並みの防災|川上光彦 14
路地の文化史
江戸から東京まで まちの変化と呼応してきた銀座の路地をたどる|岡本哲志 16
おすすめの路地
新潟町(新潟)
江戸の湊町の記憶を残す小路|木村晃郁 19
神楽坂(東京)
しつらえの路地|木村晃郁 20
尾道(広島)
人間らしい生活を送るための最後の砦|豊田雅子 22
杵築(大分)
杵築、まち並み保全への歩み|司波 寛 24
都市のテクスチャー
新自由主義的再開発に代わる創造的都市 東京から学ぶこと|ホルヘ・アルマザン/齋藤直紀 26