建築ジャーナル
2008 7月号
No.1138
定価：900円＋税
特集
｢改悪｣建築基準法の1年
7月号特集担当／上田隆 表紙写真／川本史織 （YUKARI ART CONTEMPORARY）
｢まだ『改悪』とは言い切れない。法の厳格化は消費者保護の第一歩」。 6・20改正建築基準法について、そう評価する良心的な設計者もいる。 しかしいざ実務の実態について質問するとさすがに心の広い専門家も、国交省の失策に対する怒りで顔を真っ赤にする。 ｢瑣末な書類主義は建築確認を滞らせ、設計者の総意工夫や伝統建築物の継承を認めない｣ ｢構造計算適合性判定制度も構造設計者の不足でうまく機能しない｣｢あげくに建築着工数は大幅に減る｣…。
こうした声を受け、本誌は4月1日、緊急シンポジウム｢改正建築基準法はいりません!!｣を開催した。 学識者、政治家、設計者が、今回の法改正は、｢消費者の利益にならず、建築文化を否定するもの｣と訴え、 真の｢改正｣に向けた具体的な提案を行った。この特集では｢改悪｣基準法の1年を振り返り、シンポジウムの模様を紹介したい。
｢『改悪』建築基準法の1年｣より
| ■6・20改正法以降の 右往左往 |
後手後手に回った国交省の対策、建築団体から要望書続出の日々 結果、｢官製不況｣はいまだ収拾つかず |
| ■地方からの悲鳴! | 4月の建築確認件数で読み解く まだまだ続く｢惨状｣ |
| ■改正基準法に 物申す |
日本の適合性判定は、英国のピア・レビューを超えることができるか｜彦根茂 |
| ■建築ジャーナル4・1 緊急シンポジウム ｢改正建築基準法は いりません!!｣ |
・基調講演 ｢全国一律｣現行法は禁止 ｢理念｣ある建築基本法へ｜神田順 ・現場報告1 建築基準法が日本の伝統構法を破壊する｜古川保 ・現場報告2 日本の技術の進歩を阻害し、本質を見落とす危険｜佐藤淳 ・パネルディスカッション 建築文化を否定する改悪! もっと声を上げて、異議を パネリスト｜神田順、古川保、佐藤淳、馬淵澄夫 司会｜江口征男 |
