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建築ジャーナル
2010
2月号
No.1163
定価:900円+税

特集

東大建築学科は大丈夫か?

―アカデミズム再考―

 


2009年秋、衝撃的なニュースが飛び込んだ。 東京大学建築学科のアリニール・セルカン助教に、大がかりな経歴詐称や論文偽造の疑いがあるというものだ。
東京大学に取材を申し込んだが、大学は公式見解を出さないばかりか、大学関係者への取材を断ってきた。
本当に解くべき課題が見えないまま、「問題」だけがひとり歩きを始める恐れがある。 だから今こそ疑惑を生んだ状況を冷静に語り、あるべき大学の姿を議論する必要がある。 社会における建築アカデミズムの役割を見失わないために。

「東大建築学科は大丈夫か?―アカデミズム再考―」より

■研究者の発言
鈴木博之
「大学の社会的役割は学位授与権。学位を与えた大学の責任は大きい」 008

西澤英和
「歴史観なき研究者によるタコ壺状況。大学は権威や利益と無関係であるべき」 010
■建築家にとって博士論文とは何か
竹山聖
「建築家に博士号は不要だが、他者の倫理に触れられる大学の役割は大きい」 012

宮本佳明
「コンペのプレゼンをまとめるように著書を論文に変換」 014
■論考
五十嵐太郎:
建築アカデミズムにおける姉歯事件。「セルカン問題」とメディアを考える 006

□南後由和:
建築の「際」を見極めて 建築の固有性と可能性を追求 019
■対談
倉方俊輔×松田達
「『セルカン問題』は、アカデミズムの民営化か」 016



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[ひと]
オピニオンの視線 「閉じながら開く」アトリエは、知的障がい者の生活を守る場 ― 今中博之 020
設計事務所ダイアリー(47) 中西修一(shu建築設計事務所|三重県多気郡) 057
追悼 宮内嘉久氏逝去 ― 消え行く燎 ― 永田祐三 058

[論評]
BIS規制もISOも冷厳な国際政治の産物にすぎず ― 東谷暁 003

[地域の話題]
東日本 つくり手三代、世田谷美術館で内井昭蔵展/パプアニューギニア、森を守る会現地報告 ほか 032
中  部 木造駅舎が解体予定、都市部に緑化路面駐車場 ほか 036
西日本 「京都水族館」問題/建設記録映像を集める/界隈ににじみ出す2坪ショップ ほか 038
九  州 第2回福岡まちこわし大賞は九大移転計画/JIA九州支部大会'09大分 042

[批評]
モダニズム建築のメッセージ(14) 蛇の目ミシン本社ビル ― 松隈洋 026
布野修司の現代建築家批評(26) 原広司の建築理論 機能から様相へ 050

[実務]
美しき構造設計の世界(14) 「13世紀欧州のゴシック建築・20世紀米国の超高層建築」 ― 播繁 22
古川保の伝統構法万歳! (15) 「改正品確法批判 その2」 028
(CPD単位取得プログラム)
神田順の「建築基本法」をつくろう(11) 「専門家の責務に何が必要か」 030
反電磁波講座(50) 「健康を守るため環境に配慮を」 ― 加藤やすこ 031
(CPD単位取得プログラム)
折り紙建築士養成講座(23) 「Aフレームの家をつくろう V字タイプ」 ― 木原隆明 048
(CPD単位取得プログラム)

[NEWS]
五十嵐太郎の先読み編集局(14) 顔が見えるゼネコン stream DEW 2009展 056
World Report(14) 第4回タイ国際建築文化シンポジウム(ISACS)報告 布野修司 024
OPEN HOUSE(5) 「眉山の家」 吉田周一郎 044
CULTURE CINEMA=志田歩 「海の沈黙」 BOOK=柳々堂 046
Information 047
Focus 054




東日本建築集
羽田設計事務所、EDH遠藤設計室、寺山建築工房



中部建築集
アトリエオーブ



西日本建築集
山谷建築設計事務所、浅田設計室



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