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建築ジャーナル
2007
5月号
No.1121
定価:900円+税

特集

家で資産を失うな

 


 5月号特集担当/中村文美 表紙写真/今田修二

1996年、トルコ・イスタンブールで開かれた第2回国際連合居住会議で 「居住の権利」(適切な住生活を営む基本的人権)をもつことを、イスタンブール宣言として、日本を含む参加国が合意した。 適切な住まいとは、「居住者が安心して住み続けられるように、法的に守られていること」 「住宅ローンや家の維持費が高すぎないように国が監督すること」……。  昨年、施行された住生活基本法は、「国民経済の健全な発展に寄与」を目的としている。 公団住宅・公社住宅の民営化方向へのシフト、住宅金融公庫の廃止など、国は住宅に関する公的関与の責任を大きく後退させた。  住宅ローン破綻のピークは、2008年だといわれている。所得の減収によって、住宅ローンの破綻者が急増している。 購入価格の半分以下の価値しかない日本の住宅。お金と家の等価交換をとらない日本の住宅ローン。 家を持つことで資産を失い、住宅ローンを苦にした自殺が後を絶たない。 イスタンブール宣言から10年、居住の権利から逆行した日本の住まいを考える。

「家で資産を失うな」より

01 住宅政策の格差社会
モーゲージに変えない限り 家の資産価値はゼロのまま 戸谷英世

02 住生活基本法を検証する
居住の権利を欠落させた住生活基本方の失策を衝く 坂庭国晴

03 時代は中古住宅
中古住宅の愛し方、教えます。 中谷ノボル
04 品確法を検証する
品確法による家の資産価値評価はまやかしに過ぎない 江口征男
05 住宅ローンの現実
新築住宅にこだわるな 誰にも忍び寄る破綻の危険 流川真綺
TOPIC1 つなぎ融資不要、工事出来高支払い、工事完全保証
TOPIC2 中古住宅を購入後、リフォーム部分を融資

建築ジャーナル5月号表紙
東日本版
中部版
西日本版
九州版

[編集長通信]
設計入札問題と選挙 西川直子 02

[論評]
東京をどうするか 東京都知事選 五十嵐敬喜 03

[INTERVIEW]
自責の念でレトロビルを修復中 気づけば文化発信源に 細野房雄 04

[地域の話題]
東日本 邑楽町新庁舎設計者問題、能登半島地震におけるJIA ほか 06
中  部 立体木造トラスのゴミ処理施設、博久塾第3回 ほか 10
西日本 「CM方式住宅」という活路、京町家再生で介護施設 ほか 14
九  州 第12回学生デザインレビューin熊本 ほか 18

information 20
建築をかじる 池田雪絵 22
オススメABC 遠藤水城、池内了、加藤誠洋 22

[安心安全住宅ニュース]
古川保のこんなものほしい24 25
設計監理SOS 山口曜一 26
それでも高層マンションに住みますか5 織田正昭 27
<新連載>環境症 猫田白重 27
反電磁波講座17 加藤やすこ 28


[連載]

連載タイトル 連載number 内容
46 建築風土記 横浜市篇 26 「洋館付き住宅」はまちの財産 住みやすい暮らしの提案を
50 筑豊通信 56 巨大門松は違反建築物そのもの M田イサオ
51 The Grand Tour 5 西洋的論理に基づく整然とアジア的論理に基づく混沌 村上心
52 基礎から学ぶ設計事務所の家づくりU 自ら見極めて取捨選択する 水野宏
+山里茂樹
54 建築をあるく 36 なんばパークス 土山貴弘
55 設計事務所ダイアリー 17 末廣香織さんの1カ月 nks architects
56 文藝ジャーナル 2 永田町の密約 耐震偽装事件 戸谷英世
58 FOCUS
60 FORUM 昭和初期の名建築 熱意と情熱で市民から保存運動 松永健吾



東日本建築集

  関・空間設計、ジムス建築設計事務所、ケイ立身設計、みんなの建築設計社、山口英治建築設計事務所、
  大誠建築設計事務所




中部建築集
  KEN-空間設計、安井建築設計事務所 名古屋事務所



西日本建築集
  ステュディオ エイト アーキテクト、大建設計、小松義博建築都市設計事務所、伊永建築設計事務所、木村設計


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